ちょっと突然申し訳ないんですけど「ウマ娘 プリティーダービー」なるコンテンツの魅力を語らせてもらってもいいですか? ~話題のメディアミックスに軽い気持ちで手を出したらあえなく沼に落ちたオタクの記録~
みなさんこんにちは、Mです。
久しぶりにキモい文章を書きます。よろしくお願いします。
2月26日のことだと記憶していますから、それはいまから2週間以上も前のことになります。
あるアプリゲームがリリースされ、それはまたたく間にTwitterのタイムラインを一色に染めました。
「ウマ娘 プリティダービー」です。
なんでも、クオリティアップのためと称してサービス開始を2年も遅らせ、ようやくリリースされたとか。
しかしちょうどそのころ、わたしはプロセカのモチベーションが高く、インストールを見送ることにしました。
よく暇で暇で仕方がないというような意味のことを言っている人がいますが、わたしは自分自身がちょうどその反対にいると思っています。
正直プロセカだけで手一杯ですし、switchでテトリスをしたいしたまにはマリオカートの配信もやりたい。雀魂もアイコンが金色になるまでもうすぐ、Minecraftも触りたい、ミクさんとも遊びたいし趣味のコーディングもしたいし向こう一年間で勉強して取らないといけない資格が少なくとも3つあります。睡眠時間だって欲を言えば一日20時間は欲しいくらいです。
最近パズドラにさわれていませんが、それも致し方ないことなのです。
ありがたいことにわたしのここ最近はやりたいことで溢れていて、そこから零れ落ちるコンテンツがあるのもまた、避けては通れないことでした。あいにく競馬の造詣もまったくありませんし、わざわざ新分野に飛び込んでいくことはないでしょう。
ということで、「鬼滅の刃」「呪術廻戦」「モルカー」に続いてこの「ウマ娘」もスルーを決め込むことにしました。残念ですが、人生に二週目があったらこのあたりに触れる生き方も悪くないでしょう。
3月4日は春休み中ながら登校日ということで、3ケタkmの道程を超えてわたしは級友と久しぶりに会うことになりました。しかし彼らの様子がおかしい。
彼らは口々に「ウマ娘」は最高に面白いゲームだからインストールしろといい、わたしと同じようにスルーしていた(もっとも、ただ知らなかっただけ、という可能性は十分ありますが)人間にアプリをインストールさせていました。なんでもこのゲームはリセマラが簡単らしく、わたしたちが遊んでいる横ではひたすらガチャが回されていましたが、正直なところ、わたしはあまり興味をそそられることはありませんでした。
そのままわたしたちはいつもどおり解散し、23時ごろ実家にたどり着いたわたしは、布団の中でいつの間にかGoogle playを開いていました。
せっかくこの一日興味ないていで進めてきたので、ちょっとだけ進めてスクショでも上げれば少しウケるかな、くらいの軽い気持ちでした。
今思えば、これが運命の分かれ目だったのかもしれません。
ゲームは容量が小さいようで、インストールはすぐに終わりました。どうやら3GBと少しのゲームデータはチュートリアルプレイ中にダウンロードしてくれるとのこと。Cygames、なかなか気がききます。
サクサクとチュートリアルを進めていきます。どうやらこのゲームは育成ゲームのようです。
育成ゲームといえば、以前友人のソフトでパワフルプロ野球を少しだけさわった事がありましたが、結局自前でソフトを買おうとは思いませんでした。それ意外に育成ゲームをプレイした経験はなく、あまりいい印象のあるゲームジャンルではありません。
育成対象となるウマ娘はガチャで入手するようですが、リリース記念で好きな最高レアを選んで入手できるチケットがもらえました。その他の要素もそこそこに、交換所を開いてみることにしました。
そこで、わたしは彼女と出会うことになります。
こちらを見つめる澄んだ瞳、ピンク色がアクセントの勝負服をまとい、真ん中だけ白い茶髪をショートボブにして、ぴょんと飛び出した右の耳には紫のリボン。
「わたし、日本一のウマ娘になります!」
わたしはあとで知ることになりますが、2年前にすでに存在したアニメ第一期の主人公にして、今作のメインキャラクターとも言うべき存在、スペシャルウィークでした。
ほとんど迷いはありませんでした。正直、交換対象の他の娘たちをきちんと見たかも定かではありません。一番上に表示されていたこのウマ娘が、「日本一のウマ娘になる」、そう画面越しに訴えかけてきたとき、まだリセマラも済んでいないのに、つい交換ボタンをタップしてしまったわたしがいました。
適当に引いたサポートカードをおまかせ編成のまま突っ込んで、はじめての育成へ。
11ターンののちにデビュー戦が始まります。作戦なんて概念をわたしは知りませんでしたが、第4コーナーでスキルを発動した彼女は、デフォルトの「差し」を存分に見せつけて、鮮やかな足取りで先頭をさらっていきました。
その時わたしは、人がなぜ育成ゲームにそこまで没入するのか、ようやく理解できたような気がしました。彼女のレースはまるで自分のことのように感じられ、彼女が最後にトップの娘を抜き去ったとき、思わずガッツポーズをしていた自分に気がつきました。
初戦を制した彼女は、応援してくれた観客に向けて、そしてトレーナーであるわたしに向けて、デビュー曲である「Make debut!」を歌ってくれました。
ああ、「今日は何をしますか?」なんて言って、一緒にトレーニングをしたウマ娘がいま、同期たちとの真剣勝負に勝って、きらびやかな舞台でセンターに立って歌っている。
こんなに嬉しいことがほかにあるでしょうか?
最初に出会ったときにこの娘が語った夢、「日本一のウマ娘」へと、一緒に走り出したくなりました。
もちろん育成を完遂することは容易くなく、なんの知識もないままに動き始めたこのときは5つ目の目標である天皇賞(春)であえなく12着に沈むこととなります。
3回まで選択できるコンティニューを選ぶこともできました。しかし一発勝負とはいえ万全の状態で12着のウマ娘が、やり直したからと言って上位に食い込めるとは思えません。
最後はわたし自身の手で、彼女との歩みを止めることを決めなければなりませんでした。
D+、それがはじめてのわたし達に与えられた評価でした。
育成完了の画面で、こちらに手を振りながら「トレーナーさん、ありがとうございました!」と言われたとき、この娘はここで殿堂入りもとい引退して、ついに夢叶えることはないのか、それでもここまで拙く手をとって歩んできたわたしに、にこやかに笑顔を見せてくれているのかと思うと、いつの間にか涙が零れてきて、自分でも動揺してしまいました。
ゲームでここまで感情を揺さぶられることは、わたしにとっていまだかつてないはじめての体験でした。このとき、わたしはわたしがこのゲームにのめり込むことを何となく察知しました。
アプリをインストールしてから、2時間が経とうとしていました。
その後も何度か、いろいろなウマ娘と育成に挑戦しました。外が明るくなり、5時に日付が変わった3月5日のデイリーミッションをすべて達成して、ようやくわたしはプレイをやめて眠りについたのでした。
スペシャルウィークと出会ったとはいえ、ガチャではなく交換チケットからの入手だったので、はじめはやるからにはリセマラを行うつもりでいました。しかし、あのとき適当に引いたガチャで一般的なリセマラ終了基準は満たしていることが発覚し、そのまま続行することにしました。
しばらく他のゲームに触らない日が続きました。起き抜けからアプリを起動して、晩ごはんを食べたらすぐに育成に戻る、そんな生活が気づいたら一週間続いていました。
はじめは一目惚れしたスペシャルウィークにしか興味がありませんでした。しかしゲームを進めていく過程で、最初から所持している他のウマ娘も育成することになります。
どうやら因子厳選なる行為のために、短距離逃げ適正のあるサクラバクシンオーなる娘を育成する必要があるようです。チーム競技場で上を目指すには、ダート適性のあるハルウララを育成しなくてはなりません。
まさに十人十色、さまざまなウマ娘たち。モブキャラくらいに思っていた彼女たちにもそれぞれ勝ちを目指す理由があり、育成中に見ることのできるストーリーもいろいろです。
一緒に勝利に喜び、敗北に涙し、ときには季節のイベントを楽しんで、いつしかたくさんのウマ娘たちとの間に思い出が生まれていました。
そしてわたしは、もっともっとウマ娘たちのことを知りたくなりました。
ゲーム内で読めるメインストーリー、イベントストーリーを泣きながら読破したわたしは、primeにウマ娘のアニメを発見しました。今となってはもはやわたしに、タイムラインで最初に知ったときのような斜に構えた気持ちはありませんでした。
そしてわたしにとって驚くべきことに、一話の最初に登場したウマ娘、主人公はあのスペシャルウィークでした。あえて言えばわたしが最大公約数的好みをしていることになりますが、それはどうでもいいことです。
アニメでもゲームと同じく、「日本一のウマ娘」を目指してスペシャルウィークが邁進するお話が展開されました。こんな記事を読んでアニメを見ようと思い立つ人がどれだけいるかは甚だ疑問ですが、このアニメに関してはネタバレなしで見たほうが面白いと強く思ったので、ここでは内容に触れる話題は避けようと思います。
ネタバレなしでも言えることとしては、ダイワスカーレット、セイウンスカイ、ゴールドシップ、グラスワンダー、などなど、ゲーム内の実況でたびたび名前を聞いて、ウマ娘によっては育成でおなじみのウマ娘たちが登場し、共通の舞台であるトレセン学園やその周辺の街の、ゲーム内では見えない角度からのカットがあり(例えば、俯瞰視点での三女神像、引きの構図でのパドック、スペシャルウィークのお気に入りの場所である土手など)、終始興奮ぎみに画面にかじりつきました。
OPはあの「Make debut!」でした。一話の最後に流れたときには鳥肌が立ちました。
全13話の一期を、結局のところ丸一日かけずに見てしまい、最終話の興奮冷めやらぬまま、この記事のためにキーボードを叩き始めたといったところです。書き終わったらアニメ二期を見てきます。
ということで、わたしがウマ娘にはまるまでの一部始終でした。情けないことに、いまだにスペシャルウィークでのURAファイナルズ優勝は成し遂げられていません。サクラバクシンオーとグラスワンダーでグッドエンディングを見たとき、例によって大号泣してしまったので、半ば戦々恐々としながら因子ループを回す日々を送っています。
それでは、みなさんが、そしてみなさんの愛するウマ娘たちが、共に夢を叶えられんことを。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
M
――響けファンファーレ 届けゴールまで!